保育園で働く保育士が、普段どんな仕事をしているのかご存知でしょうか?
基本は、子どもを預かり、親に代わって子育てをするのが仕事です。
また、その様子を保育日誌に記録したり、育児に悩んでいる母親の相談に乗ったり、さまざまな形で子どもたちの成長を支えています。
さらに最近では、多種多様なニーズに応えるため、朝 7時頃から子どもを預かり、夜 20時頃まで「延長保育」をおこなうケースも増えてきました。
当ページでは、保育士の1日のスケジュールはどのようになっているのか? について詳しく解説していきます。
それでは、一緒にみていきましょう!
保育士の1日の流れ

保育園には、幅広い年齢の子どもが通っています。一人ひとり発育状態が違うため、当然保育内容も異なります。
ここでは「0歳児クラス」と「3〜5歳児クラス」に分けて、とある保育園の1日を紹介します。
保育園の1日(0歳児クラス編)


7時ごろ〜 登園
早番の保育士が出勤し、子どもたちが来る前に掃除や準備を済ませておきます。
そして、時間外保育の赤ちゃんが保護者に連れられて登園。なかには、眠そうな子や泣いてる子もいます。
保育士は親と挨拶をし、その日の健康状態や連絡事項を確認したら、赤ちゃんをベッドに連れていきます。
8時30分〜 普通番の保育士が出勤

赤ちゃんが、次々と保護者に連れられてくる忙しい時間帯です。
9時〜 検温・おむつ交換
まずは、検温とおむつ交換をします。ただし、生活リズムは赤ちゃんによっても異なります。
眠そうであればベッドに寝かせるし、起きていれば部屋の中でハイハイしたり、おもちゃで遊んだりします。
9時半〜 朝の会・おやつ

みんなが揃ったら、朝の会(歌遊び・手遊び・名前呼び)をします。
それが終わると、1回目のおやつの時間。生後間もない子にはミルク、1歳に近づいてきた子には離乳食をあげます。
10時〜 遅番の保育士が出勤
赤ちゃんに話しかけたり、歌や手遊びをしたり、晴れた日は “バギーカー” に乗せて散歩に出かけたりします。
生後間もない子は、保育士に抱っこされて眠っていることも多いです。
11時〜 昼食

それぞれの発育に合わせて、ミルクや離乳食をあげます。
いつもと様子が違っていれば、気分がすぐれないのかもしれません。ほかの保育士にも知らせて、食事でも体調を観察するようにします。
12時〜 お昼寝・おむつ交換
ゴハンを食べたら、お昼寝タイム。赤ちゃんが寝ているすきをみて、保育士は交代で昼食を取ります。
通常12時前には昼寝ですが、赤ちゃんによってはウンチをしたり、目覚めて泣き出したり、一人ひとり行動がバラバラ… 。
なので 0歳児の場合、保育士のペースで全員をまとめて保育するのではなく、それぞれの赤ちゃんに合わせて個別に対応していく必要があります。
13時〜 保育日誌・連絡ノートの記入
赤ちゃんが寝てる間に、保育日誌や連絡ノートの記入、制作物の準備などをおこないます。
また日によっては、スタッフ全員、もしくはクラス担任ごとの会議が開かれることもあります。
14時〜 検温・おむつ交換
早く寝た子が、そろそろ起きだしてきます。泣いている子をあやしたり、おむつ交換をしたり、ゆっくりしている時間はありません。
15時〜 起床
赤ちゃんが昼寝から目覚める時間です。着替えを済ませて、おむつ交換をしたり、話しかけたり、部屋で遊ばせたりします。
16時30分〜 お迎え(初回)
お迎え第一弾。保護者が迎えに来た子どもから、順々に帰宅します。
保育士は1日の様子を伝えてお見送り。ケガをしたり、体調がすぐれなかったりした時は、できるだけ詳しく伝えましょう。
17時〜 早番の保育士が帰宅

遅番の保育士は、親の迎えがくるまで時間外保育の赤ちゃんを見守ります。
19時〜 業務終了
赤ちゃん全員が帰宅。遅番の保育士も、園内の掃除や事務作業を済ませて帰宅します。
保育園の1日(3〜5歳児クラス編)




ところで、0歳児クラスと比べて、3〜5歳児クラスにはどんな特徴があるのかな?

さっそく 1日の流れを見ていこう!
7時〜 登園
早番の保育士が子どもたちを迎える準備をしていると、時間外保育の子どもが保護者に連れられて登園してきます。
保育士は、笑顔で子どもを受け入れ、仕事に向かうお父さんお母さんに対して「いってらっしゃい!」と元気よく見送ります。
とくに初めて保育園にやってくる子ども、親と離れることに不安を感じている子どもにとって、出迎える保育士とのコミュニケーションがとても大事になってきます。
朝イチバンの楽しいやり取りが子どもたちの気分を明るくさせ、1日のやる気につながっていくのです。
8時半〜 普通番の保育士が出勤

職員同士の朝礼が終わると、子どもたちが続々と登園してきます。
泣きじゃくる子を優しくなだめて、どうにか預かるのも保育士の大事な役割です。
でも泣くということは、自分の家と保育園が違う場所だ、とキチンと認識できている証拠。家族以外の人に預けられるということを理解しているからです。
そう考えると、大きな泣き声も「頑張って泣いているんだな」と思えてきます。子どものキモチを代弁しながら少しずつ遊びに誘ったり、気分が落ち着くまで外の景色を見せながら抱っこしてあげたりしましょう。
9時半〜 朝の会
子どもが全員そろったら、クラスごとに分かれて「朝の会」をおこないます。
みんなで歌を歌ったり、休みの子どもがいないか確認したり、今日一日の予定を伝えたりします。
10時〜 クラスごとの活動

園児同士で手をつないで、列をつくったら出発進行!散歩中の安全確認は、保育士の大事な役割じゃ。
遅番の保育士が出勤してきます。
子ども達はクラスごとに、散歩に出かけたり、音楽に合わせて遊んだり、クレヨンでお絵かきをしたり、カリキュラムに沿った活動をおこないます。
子どもは遊ぶことが大好き。食事とお昼寝以外、いつも遊びの時間です。たくさん遊べば遊ぶほど、スクスクと成長していきます。
そして、子どもと一緒になって本気で遊ぶことも保育士の大切な仕事なのです。
11時半〜 給食

いっぱい遊んだ後は、お腹ペコペコ… 。
手洗いやうがいを済ませ、外遊びで汚れた服も着替えます。そして、子どもと協力しながら給食の準備をしたら、みんなでお昼ゴハン。
保育士も子どもたちと一緒に給食を食べます。
食事の基本は、マナーを守って楽しく食べること。好き嫌いがなくなるよう、チャレンジさせることも大切ですが、ムリヤリ食べさせると逆効果なので気をつけましょう。
12時半〜 お昼寝

食事を終えたら、パジャマに着替えて、お昼寝の時間です。
午前中いっぱい遊んだ子どもにとって、午後の昼寝は大事な充電タイム。安心して穏やかな気持ちで眠れるよう、部屋を暗めにしたり、静かな音楽をかけたりして、子ども達がリラックスできる雰囲気をつくることが大切です。
ただし 5歳児クラスに限っては、小学校に上がる練習をするため、お昼寝はせずに活動することが多いです。
保育士は、子どもが寝てる間に、保育日誌や連絡ノートの記入、制作物の下準備などをおこないます。
15時〜 おやつ・午後の活動
子どもたちが、お昼寝から目覚める時間です。
みんなで布団を片付け、着替えやトイレを済ませたら、おやつタイム。調理師さんが作った「蒸しパン」や「フルーツゼリー」などを食べます。
おやつを食べ終えたら、それぞれ自由に遊びます。
16時〜 早番の保育士が帰宅
子ども達もオモチャを片付けて、帰りの準備を始めます。
16時半〜 帰りの会
みんなで帰りの会をおこないます。歌を歌ったり、連絡事項や明日の予定を伝えたりします。
17時〜 お迎え(初回)

子どもは保育園も好きだけど、お家も大好き。お母さんやお父さんの姿を見つけると、走って飛んでいきます。
遅番の保育士は、時間外保育の子どもたちを集めて、みんなで一緒に遊びながら保護者の迎えを待ちます。
19時半〜 業務終了

子どもが全員帰宅、遅番の保育士も雑務を終えたら帰宅します。
また保育園では月に一度、保育士全員が集まって会議がおこなわれます。会議では前月の反省や、今月の目標などが話し合われます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、保育士の1日のタイムスケジュールについて説明しました。
保育士というのは、乳幼児の大切な時期、親と同じくらい、あるいはそれ以上の時間を子どもと一緒に過ごすことになる重要な存在です。当然、子どもの人格形成にも多大な影響を与えることになるでしょう。
そのため、この時期の子どもにしっかりと愛情を注ぎ、力強く生き抜くたくましさが身につくように育てていくことは、保育士としての使命ともいえます。
現役の保育士はもちろん、これから保育士を目指される方は、子どもたちの模範になれるよう、日々みずからの振る舞いにも心を配りましょう。