「幼保一元化」とは?メリット&デメリットを徹底解説!

幼保一元化
最近ニュースでよく目にする「幼保一元化」ってなんのこと?
「幼稚園」と「保育園」の垣根をなくし、一体となって子どもを育てていこう!という政策のことじゃよ。

幼保一元化は「待機児童の解消」「少子化対策」につながることが期待されています。

しかし、10年以上前から議論は一向に進んでおらず、まだまだ改善すべき課題が山積みになっているのが現状です。

そこで当記事では、そもそも「幼保一元化ってなんなの?」という基礎知識から、幼保一元化がもたらすメリット&デメリットについて解説していきます。

それでは、一緒にみていきましょう!

幼保一元化とは?

保育園と幼稚園の比較表
まずは「幼稚園」と「保育園」の違いを把握しておくことが大切じゃ。
幼稚園の管轄は「文部科学省」、保育園は「厚生労働省」なんだね!
どちらも「小さな子どもを預かる施設」という点では共通しておるが、管轄する役所や目的、保育時間などさまざまな違いがあるんじゃ。

幼保一元化とは、機能の異なる幼稚園と保育園の一体化を図ろうとする政策のこと。一元化することで両者の抱える問題を解決し、今の時代に合った保育ニーズに応えていこうという取り組みです。

法律を整備したことで、「認定こども園」や「幼保園」などの、同じ建物のなかに保育園と幼稚園をミックスさせた総合型施設も誕生しました。

認定こども園

総合型施設では、0歳で入園した子どもが3歳まで保育園で過ごし、3〜4歳になったタイミングで同施設内の幼稚園に通うといったことが可能です。

なぜ幼保一元化ができたの?

幼稚園と保育所数の推移

幼保一元化が誕生した背景には、「待機児童」と「少子化」の問題があります。

近年、女性の社会進出が進み、共働きの世帯が増えています。その影響により、子どもをあずける保育園の数が足りなくなり待機児童が急増しました。

一方、夜遅くまで子どもを預けられない幼稚園では、園児数が年々減少しています。

保育園は「定員オーバー」にもかかわらず、幼稚園は「定員割れ」という負のスパイラルを引き起こしている状態です。

このような両者の問題を解決すべく、幼保一元化が求められるようになったのです。

幼保一元化のメリット

幼保一元化のメリットには、

①子どもに対する平等な教育
②待機児童問題の解消
③自治体の財政削減

以上の3つがあげられます。

それぞれ、詳しくみていこう!

①子どもに対する平等な教育

かつて、保育園は共働きなどで「保育に欠ける子ども」をあずかる場所、幼稚園は小学校入学前の「幼児教育」をおこなう場所として、それぞれの役割を果たしていました。

しかし本来、同じ地域で育つ子どもが、通う施設の違いによって、かけ離れた内容の保育・教育を受けることは望ましいことではありません。

そのため、保護者は保育園に対して「幼稚園のような教育をして欲しい」、あるいは幼稚園に対して「もっと長時間あずかって欲しい」といった要望を出していました。

幼保一元化によって、保育園と幼稚園の待遇の格差がなくなり、子どもたちに同じレベルの保育や教育を与えられるようになったのです。

さらに、年齢や生活環境の異なる子ども同士が一緒に生活することで、より望ましい発達効果が期待できるメリットもあります。

②待機児童問題の解消

幼保一元化のおかげで、幼稚園でも延長保育や3歳未満の乳幼児の受け入れが可能になりました。

それにより、定員いっぱいの保育園をカバーする形で、定員割れしている幼稚園でも子どもをあずかることができるようになり、待機児童の解消につながっています。

また保育園も、両親の仕事の有無にかかわらず利用できるようになり、すべての子どもが平等に保育を受けられるようになります。

③自治体の財政削減

都市部で待機児童が増える一方、地方では少子化の影響で経営が困難な施設が増えています。

そのため、元々あった幼稚園と保育園を合併することで、より効率的な運営ができるようになり、施設の管理コストや人件費の削減にもつながっています。

幼保一元化の問題点

①国の対応が遅すぎる

当初、幼保一元化の法律が制定されたことで、「待機児童の問題が解消されるのではないか?」という大きな期待が寄せられました。

しかし幼保連携型では、施設面積や設備など法的にクリアしなければいけない基準が高く、「認定子ども園」の数は予想以上に増えていません。

増えない理由のひとつに、幼稚園は学校教育法に基づく「文部科学省」、保育園は児童福祉法に基づく「厚生労働省」と管轄する役所が異なることがあげられます。

よく日本は「省あって国なし」と揶揄されることがありますが、文部科学省と厚生労働省で縄張り争いがあり、いつまでたっても議論が平行線をたどっているのが現状です。

縄張り争いって…。はやく子どもや保護者の視点に立って話し合いを進めるべきなのにね。
じぶん達の管轄外についてはタッチしない風潮を「縦割り行政」というんじゃ。
それじゃあ、いつまで経っても困っている人が救われないじゃない。
だから”腰が重いと言わざるをえない”国に頼らずに、地方自治体が独自で問題解決を図ろうとする動きが広がっているんじゃな。
あっ聞いたことある!渋谷区では区立幼稚園を改修して、待機児童の受け入れを始めてるんだよね。

②保育者に必要な資格が異なる

幼稚園と保育園は、元々別モノです。

幼稚園で働くには「幼稚園教諭免許状」、保育園で働くには「保育士資格」が必要になります。管轄も異なるため、運営目的や教育方針も異なります。

そして、幼保の機能が一緒になった施設では、保育と教育のどちらも実施することから、幼稚園教諭と保育士資格の両方を持っていることが望ましいとされています。

そのため、職員はどちらも取得しなければならず、人材の確保が大きな課題となっています。

職員が2つの資格を持っていれば、まったく問題ありません。しかし、どちらか一方しか持っていないケースもたくさんあります。

そのような場合、文部科学省のおこなう「幼稚園教員資格認定試験」に合格する必要があります。ただ試験の難易度が高く、なかなか働きながら取得するのが難しいことが問題になっています。

保育士と幼稚園の先生、2つの資格を統合するわけにはいかないのかなぁ?
統合するには制度そのものを変えなければならず、なかなか一筋縄ではいかないみたいじゃな。

③国の補助金が減らされるリスク

幼保一元化になると、保育と教育の「総合施設」という位置づけになります。

保育園ではなくなるため、今までのように国が補助金を出す仕組みが見直される可能性もでてきます。

国からすれば、財政負担を減らせるメリットになりますが、利用者にとっては、保育に対する国の財政支出が減らされる不安が残ります。

たとえば、「職員の配置や設備の基準を十分に維持できるか?」「保育料の値上げにつながらないか?」「保育予算に地域ごとの格差が生まれないか?」といった心配のタネは尽きません。

政策を実施するうえで、当然予算について考える必要はあるでしょう。しかし、予算削減をメインに議論が進んでしまうと、そのシワ寄せが最終的に子ども達に及ぶ危険性があるため、慎重に議論を重ねていかなければいけないのです。

「子ども達にとってふさわしい教育・保育環境を守るためにはどうすればいいのか?」といった部分が、まだまだ十分に議論されていないのが現状なんじゃ。
話し合わなければいけないことって、どんな内容があるの?
そうじゃな〜

・乳幼児1人あたりにつく職員の人数
・調理室の設置の義務化について
・文部科学省と厚生労働省の連携強化
・財務状況の改善

などなど。幼保一元化を実現するためには、さまざまな問題を一つ一つ解決していかなければいけないんじゃ。

安心して子どもを預ける環境をつくるには、まだまだ時間がかかりそうね。
そうじゃな。あくまで、子どもの視点に立って協議を進めていくことが大切じゃ!

まとめ

いかがでしたか。

今回は、幼保一元化のメリットやデメリットについて解説しました。

待機児童の問題が叫ばれ、早急に制度を整えなければいけない中、未だ問題が山積みであることをご理解いただけたと思います。

しかし、今後多様化する保育ニーズに対応していくうえで、欠かせない政策であることに違いはありません。

今後の動向をしっかりと見守っていきましょう。