「幼稚園」と「保育園」の違いとは?

保育園ピアノ

「保育園」「幼稚園」の違いはわかるかな?
えっ…どこが違うの?
まず保育園は、家庭だけで十分に保育できない子ども”のみ”入れる施設なんじゃ。
家庭だけで保育できないって…?
たとえば、夫婦で共働きしていたら、昼間は子どもを見ることができないじゃろ。
たしかに!「重い病気」「ケガ」で子育てできないケースだってあるかもしれないね。
その通り!そんなときに子どもを預かってくれるのが保育園じゃ。
保育園のおかげで、小さい子がひとりぼっちで寂しい思いをしなくてすむのね。
一方、幼稚園は3歳以上の子どもなら誰でも入れるところじゃ。
なるほど。もっとくわしく保育園と幼稚園の違いを知りたいなぁ。
了解じゃ。それでは、一緒にみていこう!

保育園と幼稚園を徹底比較!

比較表

保育園と幼稚園の比較表

相違点①管轄する役所の違い

まず、保育園と幼稚園では管轄する役所が違います。

保育園の正式名称は「保育所」、管轄は厚生労働省。一方、幼稚園は文部科学省です。

したがって、保育園は「児童福祉」の考え方をキホンとし、幼稚園は「学校教育」の考え方をキホンとして運営されています。

◎保育園の特徴

保育園の対象は、小学校に入学前の乳幼児(0〜6歳)。「両親が共働き」「出産の前後」「祖父母の介護」「災害」などの理由で、親が子どもの面倒を十分に見ることができない場合のみ、預かります。

保護者が迎えにくるまで、8時間以上の長時間保育になることも珍しくありません。

そのため、保育園では「お昼寝」や「おやつ」の時間を設けて、子どもの心身に負担がかからないよう、なるべく家庭にいるような状態で過ごせるよう配慮しています。

◎幼稚園の特徴

一方、幼稚園は小・中学校とおなじ「学校教育法」によって定められた、教育を重視する施設。

満3歳〜小学校入学前の児童を対象とし、1日4時間、年間39週以上の教育をおこないます。

ここでいう教育とは、「お絵かき」や「お遊戯」などをクラス全員に一斉指導することではありません。幼稚園教諭には、子どもが主体的に活動できるよう、一人ひとりを理解し、計画的に指導する力が求められます。

ただし幼稚園は、小・中学校のような義務教育ではないので、子どもを通わせるかどうかは「親」しだい。

保護者のニーズにこたえるために、
・英語を教える
・音楽教育に力を入れる
・どろんこ、はだし教育
・欧米で主流の教育法を導入

といった独自の教育方針を打ち出す私立園も数多くあります。

そのため、幼稚園教諭が現場でどのような幼児教育を展開するかは、働く園によっても異なるのです。

まとめると、保育園が”保育に欠ける乳幼児”をそだてる「生活の場」であるのに対し、幼稚園は「学び」を重視した教育をおこなう施設になります。

とはいえ、保育園・幼稚園ともに、幼児の「心身の発達」「人間形成」の土台をつくる場であることに変わりはありません。

相違点②保育時間の違い

保育園の開所時刻と閉所時刻
(厚生労働省 社会福祉施設等調査結果の概況より)

保育園では、1日11〜12時間以下の保育が一番多いんだね!
そうじゃな。そのため、保育士は早番・遅番のシフト勤務をとっていることが多いんじゃ。

保育園と幼稚園では、開園時間も違います。

保育園の保育時間は、8時〜16時までの「8時間」が基本。最近では、共働きの家庭が増えて、7時〜19時ごろまで「延長保育」や「夜間保育」をおこなう施設もたくさんあります。

一方、幼稚園では9時〜14時までの「4時間」が基本。保育園の約半分です。

ただし、最近は忙しい親も多く、幼稚園でも「預かり保育」を実施しているところがあります。おかげで共働きや母子・父子家庭の子どもが、18時ごろまで保育を受けられるようになりました。

相違点③給食or弁当の違い

保育園では、基本的に給食をたべます。施設によっては、定期的に「お弁当の日」をつくっているところもありますが、通常は給食です。

一方、幼稚園ではそれぞれの園の方針によるものの、基本は「お弁当」。一部では、保護者のニーズに合わせて給食を出しているところもあるようです。

とはいえ、給食をつくる設備をもった幼稚園はまだまだ少なく、大半は園児用のお弁当をつくる業者に依頼しているのが現状です。

相違点④入所のしくみの違い

保育園と幼稚園では、子どもを入所させる際の申し込み先や手続き方法が異なります。

保育園・幼稚園・認定子ども園を利用する場合、事前に行政から「支給認定」を受けなければいけません。

支給認定には、子どもの年齢や保育の必要性に応じて「1号認定・2号認定・3号認定」の3つの区分があります。認定区分によって、利用できる施設や時間が異なります。

支給認定区分

1号認定…「学校教育」のみ必要とする、満3歳~小学校入学前の子ども
2号認定…「保育」を必要とする、満3歳〜小学校入学前の子ども
3号認定…「保育」を必要とする、満3歳未満の子ども

それぞれの家庭状況にあった認定を受ける必要があるのじゃ。
早わかりチャート

◎保育園の入園を希望する場合

保育園を利用するには、「2号・3号認定」を受けなければいけません。認定を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

□ 就労(月64 時間以上)
□ 妊娠、出産
□ 保護者の病気、ケガ
□ 親族の介護
□ 災害復旧
□ 求職活動
□ 就学

つまり「保護者が家庭で子どもを保育できない状態」でないかぎり、保育園に通わせることはできないのです。認定を受けた人のみ、役所で申し込み、希望する園をつたえて決定を待ちます。

どの保育園に子どもを入れたいか、保護者は自由に選ぶことができますが、保育園の空き状況などによって、ある程度の優先順位がもうけられているのが実情です。

◎幼稚園・認定こども園の入園を希望する場合

幼稚園・認定こども園を利用するには、該当する「認定証」をもって、直接希望する園に申し込みます。

「支給認定制度」は、平成27年4月にスタートした新しい制度です。今だ新制度に移行していない幼稚園については、従来どおり「認定証」を準備する必要はありません。

相違点⑤保育料の違い

保育園の利用料は「保育料」、幼稚園の利用料は「月謝」とよばれます。

保育料の場合、「保護者の収入」「子どもの人数」「子どもの年齢」によって変わります。

年収が高ければ、そのぶん保育料も上がる仕組みです。また兄弟で入園している場合、2人目は半額、3人目は無料になるケースもあります。

自治体によって制度が異なるので、くわしく知りたい方は役所に確認してみるとよいでしょう。

一方、幼稚園の月謝は「公立」と「私立」でまったく違います。

文部科学省の全国平均データ(平成24年度)を調べてみると、

・公立幼稚園の年間費用:149,544円(ひと月あたり12,462円)
・私立幼稚園の年間費用:367,355円(ひと月あたり30,613円)

なんと、2倍以上の差があることがわかります。ちなみに保育園(認可)であれば、公立・私立にかかわらず保険料は一律になります。

まとめ

いかがでしたか。

保育園と幼稚園では、さまざまな違いがあることをご理解いただけたでしょうか?

しかし一方で、これまで機能が異なるとされてきた両者ですが、最近は「1つの建物に保育園と幼稚園を併設する」という幼保一元化の取り組みが活発化してきました。

こうした変化は、保育士(または幼稚園教諭)の勤務先や働き方、資格のあり方にも大きな影響を及ぼしています。

幼保一元化については、こちらの記事でくわしく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

「幼保一元化」とは?メリット&デメリットを徹底解説!

2017.03.04